多文化共生・社会教育・まちづくり 2023〜現在
字知る!あざシール
奄美群島・沖永良部島(おきのえらぶじま)にある全42の字(あざ。集落)の名称を、千社札風にデザインした耐水シール。地名の由来の解説書付きで、島に関わる人たちの”郷土愛”を可視化するツールに。
沖永良部島(和泊町・知名町)に存在する全42の字(あざ=集落)の名称を、千社札風にデザインした耐水シールです。郷土史の文献を調べ、郷土研究家の監修を経て作成した「字の由来解説書」を同封し、2023年7月より販売を開始しました。
自分のルーツを誇り、語るためのツール
島には、自己紹介の際に自分の出身や住んでいる字を伝えることは少なくありません。しかし、若者や島外からの移住者の中には、他の字の名前や昔の呼び名(沖永良部島語の「しまむに」)を知らない人も少なくないのです。
そこで、地元や自身のルーツを誇り、アイデンティティを可視化・共有するツールとしてシール化を企画しました。和泊町の特産品開発に関わる補助金も活用し、ただのシールではなく、字の旧名や由来(諸説ある浪漫も含めて)を記した解説書をつけることで、島の歴史や地形に興味を持ってもらう仕掛けを施しています。
世代を超えて広がる「字」を通じたコミュニケーション
現在は島内のスーパーやホテル、郵便局、歴史民俗資料館など計8か所(※)にて、解説書付き1枚250円で販売しています。
販売開始後、島内ではとくに帰省シーズンのたびに売れる定番商品となり、神戸で行われた沖洲会(郷友会)の100周年式典でも、出身者からその孫(三世)まで、幅広い年代の方に買っていただき、1日あたり過去最高の売上を叩き出すなど大きな反響を呼びました。
嬉しかった反響として、地域の長寿会で字シールの話をした際、三味線の先生がご自身の三味線ケースにその場でペタッと貼ってくれたことや、家族間で「あしきぶ公園のあるあそこって谷山っていう字なんだ!」という会話が生まれたという報告がありました。さらには「自分の字のシールを付けていない人間はモグリだ」と冗談交じりに語る島民の方も現れたほどです(笑)。
たかがシールですが、物理的に離れていても郷土愛を強め、初対面の人同士をつなぐ「“あいだ”の編集」のツールとして、地域にしっかりと根付きつつある手応えを感じています。
※販売場所:おきえらぶ百貨店、和泊町歴史民俗資料館、和泊郵便局、ノアコーヒー、おきのえらぶ島観光協会、フローラルホテル、主婦の店、知名郵便局